海外FXでロスカットまでの値幅を計算する方法は2つあります。ロスカット計算機を使うのが一番簡単で早く計算できますが、ツールが使えない環境のケースを考えて計算式を覚えておくと安心です。この記事では、ロスカットの計算方法や仕組みロスカットを回避する5つの方法まで、初心者にもわかりやすく解説します。
ロスカット計算機(シミュレーション)で計算する方法
一番簡単に計算できるのは「ロスカット計算機(証拠金維持率計算ツール)」を使う方法です。口座残高・レバレッジ・ロット数・銘柄・現在のレート・ロスカット水準(証拠金維持率%)を入力するだけで、ロスカット到達価格や許容損失額(通貨建て)が一発で出ます。下記のロスカット計算機に入力して計算してみましょう。
計算式を使って計算する方法
「あと何pips逆行したらロスカットになるのか」ー海外FXでロスカットのリスクを把握するには、計算機を使うのが簡単ですが、計算式も覚えておくと計算機が使用できないタイミングで役立ちます。
ロスカットまでの値幅は下記の手順で、計算できます。これをもとにロットを決めれば、ロスカットリスクを事前に管理可能です。
- 必要証拠金(建玉に必要な証拠金)
- レート×取引通貨数÷レバレッジ=必要証拠金
- ロスカット基準の証拠金
- 必要証拠金×ロスカット水準=ロスカットされる証拠金
- 許容損失額(どこまで負けられるか)
- 口座資金 – (必要証拠金 × ロスカット水準)=許容損失額
- 許容pips(何pips逆行まで耐えられるか)
- 許容損失額 ÷(1pipsあたりの損益額)=許容pips
クロス円(〇〇/JPY)のロスカット計算例
「10万円の資金で、10万通貨のドル円(USD/JPY)」を取引する場合のロスカット計算方法を紹介します。
- 口座資金:10万円
- 通貨ペア:USD/JPY
- USD/JPY:150円
- 取引通貨数:10万通貨
- レバレッジ:400倍
- ロスカット水準:20%
① 必要証拠金
150 × 10万通貨 ÷ 400倍(レバレッジ) = 37,500円
② ロスカット基準の証拠金
37,500(必要証拠金) × 0.2(ロスカット水準20%) = 7,500円
③ いくら負けられるか(許容損失額)
10万円(口座資金) − 7,500(ロスカットされる証拠金) = 92,500円
④ 許容pips
1pips = 0.01円(USDJPYの場合)
1pipsの価値 = 10万通貨 × 0.01円 = 1,000円
92,500円 ÷ 1,000円 = 92.5pips
この例では、損失が92.5pips(-92,500円)を超えると、ロスカットされます。
クロス円(〇〇/JPY)以外のロスカット計算例
「10万円の資金で、10万通貨のユーロドル(EURUSD)」を取引する場合のロスカット計算方法を紹介します。
- 口座資金:10万円
- 通貨ペア:EURUSD(右側=ドル → 円換算が必要)
- EURUSD = 1.15ドル
- USDJPY = 150円
- 取引数量:10万通貨
- レバレッジ:400倍
- ロスカット水準:20%
① 必要証拠金※決済通貨(USD)を円に直す必要があります。
(1.15×150)×10万通貨÷400倍=43,125円
② ロスカット基準の証拠金
43,125(必要証拠金)×0.2(ロスカット水準)=8,625円
③ いくら負けられるか(許容損失額)
10万円(口座資金)−8,625=91,375円
④ 許容pips
ユーロドルは「右側=USD」なので、損失額を「ドル換算 → 円換算」 します。
許容pips=許容損失額÷USDJPYレート÷取引通貨数×10,000
=91,375÷150÷10万通貨×10,000=60.9pips
この例では、損失が60.9pips(-91,375円)を超えると、ロスカットされます。
ゴールドのロスカット計算例
「10万円の資金で、100通貨のXAUUSD(ゴールド)」を取引する場合のロスカット計算方法を紹介します。
- 口座資金:10万円
- 銘柄:XAUUSD(ゴールド)
- 価格:4,000ドル
- USDJPY:150円
- 取引数量:1ロット = 100通貨
- レバレッジ:400倍
- ロスカット水準:20%
① 必要証拠金
決済通貨がドルなので、まず円換算します。
(4,000×150)×100÷400
=15,000,000÷400=375,000円
② ロスカットされる証拠金
375,000(必要証拠金)×0.2(ロスカット水準)=75,000円
③ いくら負けられるか(許容損失額)
10万円(口座資金)-75,000(ロスカット証拠金)=25,000円
④ 許容pips
XAUUSDは少数第2位(0.01)を「1pip」として扱うのが一般的です。
許容pips=許容損失額÷USDJPY÷取引通貨数×10
=25,000÷150÷100×10=16.7pips
この例では、損失が16.7pips(-25,000円)を超えると、ロスカットされます。
ビットコインのロスカット計算例
- 口座資金:10万円
- 銘柄:BTCUSD(ビットコイン)
- 価格:10万ドル
- USDJPY:150円
- 取引数量:1ロット = 1通貨
- レバレッジ:400倍
- ロスカット水準:20%
① 必要証拠金
(100,000×150)×1(通貨数)÷400(レバレッジ)
=15,000,000÷400
=37,500円
② ロスカットされる証拠金
37,500(必要証拠金)×0.2(ロスカット水準)=7,500円
③ いくら負けられるか(許容損失額)
10万円−7,500(ロスカットされる証拠金)=92,500円
④許容pips
BTCUSDの1pipsは通常「0.01ドル(少数第2位)」で扱います。
許容pips=許容損失額÷USDJPY÷取引通貨数×10
=92,500÷150÷1×10=6,166.7pips
この例では、損失が6,166.7pips(-92,500円)を超えると、ロスカットされます。
海外FX業者のロスカット水準一覧表
海外FX業者のロスカット水準を一覧表にまとめました。各業者ごとにロスカット水準が異なるため確認してください。
| 業者名 | ロスカット水準 ※各社最低値を記載 |
|---|---|
| Exness | 0% |
| IS6FX | 10% ※プロゼロ口座のみ |
| FXGT | 0% ※オプティマス口座のみ |
| FBS | 20% |
| TradersTrust | 20% |
| BigBoss | 20% |
| VantageTrading | 0% ※プレミアム口座のみ |
| easyMarkets | 30% |
| AXIORY | 0% ※ゼロ口座のみ |
| HFMarkets | 20% |
| XS | 10% ※セント/マイクロ口座のみ |
| LandPrime | 30% |
| ThreeTrader | 20% |
| XMTrading | 20% |
| IronFX | 20% |
| TitanFX | 20% |
海外FXのロスカットの仕組みと基礎用語

ロスカットとは、相場が急変したとき、損失を最小限に抑えるために自動でポジションを決済する仕組みです。ここでは、ロスカットの基本的な仕組みから、証拠金維持率・ロスカット水準などの関連用語、そして海外FXのみ採用しているゼロカットまで初心者にもわかりやすく解説します。
ロスカットとは?ポジションが自動で決済される仕組み
ロスカットは、相場が逆行して証拠金維持率が一定の水準を下回ったとき、FX業者側が強制的に保有ポジションを決済して、それ以上の損失拡大を防ぐためのシステムです。トレーダーが残高以上の損失を抱えないよう、システムが強制的に取引を終了します。
たとえば、口座残高が10万円、レバレッジが400倍、取引数量が10万通貨(ドル円150円)の場合、必要証拠金は「150円×10万通貨÷400=3万7,500円」です。ロスカット水準が20%の業者では、「3万7,500円×0.2=7,500円」がロスカットの基準となります。つまり、資金が10万円から7,500円まで減少した時点で、システムが自動的にポジションを決済し、これ以上の損失を防ぎます。
証拠金維持率とロスカット水準の関係
証拠金維持率は、ロスカットが発動するかどうかを判断するための重要な指標です。「有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100(%)」で、現在の資金状況がポジション維持に対してどれだけ余裕があるかを示します。有効証拠金とは「口座残高+評価損益(未実現損益)」の合計であり、必要証拠金は保有ポジションの数量・レバレッジ・銘柄ごとの契約サイズによって決まります。
たとえば、有効証拠金が9万円、必要証拠金が5万円の場合、証拠金維持率は「9万円 ÷ 5万円 × 100=180%」となります。この維持率がFX業者の定めるロスカット水準を下回ると、自動的にポジションが強制決済されます。
ロスカット水準は海外FX業者によって異なり、20%前後が一般的です。日常の取引では、維持率300〜500%以上を目安に余裕を持たせてトレードするのが理想です。
| 証拠金 | 意味 | 計算例 |
|---|---|---|
| 必要証拠金 | ポジションを保有するために必要な最低金額 | 1万通貨 ÷ レバレッジ 150円(取引レート)×10万通貨(取引数量)÷400倍(レバレッジ)=37,500 |
| 有効証拠金 | 現在の残高+評価損益 | 10万円(残高)-1万円(含み損)=9万円 |
| 証拠金維持率 | 資金余力を示す安全指標 | 9万円(有効証拠金) ÷5万円(必要証拠金)×100=180% |
ロスカットが発動するタイミング
ロスカットはリアルタイムに監視され、証拠金維持率が一定以下になると自動で実行されます。しかし、急激な値動きが起きると、約定が遅れて予定よりも低い価格で決済されること(スリッページ)もあるため注意しましょう。
ロスカット水準に達する前に余裕をもった損切りやレバレッジ管理を行うことが重要です。なお、ロスカット水準は業者により異なるので利用するFX業者の水準を確認してください。
海外FXのロスカット水準一覧表はこちら
海外FXのロスカット水準一覧表
| 業者名 | ロスカット水準 ※各社最低値を記載 |
|---|---|
| Exness | 0% |
| IS6FX | 10% ※プロゼロ口座のみ |
| FXGT | 0% ※オプティマス口座のみ |
| FBS | 20% |
| TradersTrust | 20% |
| BigBoss | 20% |
| VantageTrading | 0% ※プレミアム口座のみ |
| easyMarkets | 30% |
| AXIORY | 0% ※ゼロ口座のみ |
| HFMarkets | 20% |
| XS | 10% ※セント/マイクロ口座のみ |
| LandPrime | 30% |
| ThreeTrader | 20% |
| XMTrading | 20% |
| IronFX | 20% |
| TitanFX | 20% |
海外FXと国内FXの違い|ゼロカットシステムとは?

海外FXの最大の特徴が「ゼロカットシステム」であり、残高がマイナスになっても追証(追加請求)が発生しない仕組みのこと。相場急変時でロスカットが間に合わず残高がマイナスになっても、FX業者がマイナス分を補填してくれます。ロスカットが間に合わず残高以上の損失が発生した時に発動します。
ゼロカットシステムは国内FXには無く、ハイレバレッジ取引と相性が良いため短期間で大きく稼ぎたいトレーダーは海外FXを選ぶ傾向があります。ハイレバレッジ取引をしない方も、国内FXの場合は急激な価格変動でロスカットが間に合わずに借金を負うリスクがあるので、海外FXは初心者でもトレードしやすい環境が整っています。
一部の国では、金融庁がレバレッジ規制しない代わりにゼロカットシステムを義務化しているからです。また、ゼロカットシステムを採用することで、トレーダーは急激な相場変動でロスカットが間に合わず、マイナスを補填する必要がないので安心して利用できます。なお、国内FXでゼロカットシステムがない理由は、日本の法律で禁止されているからです。
(損失補塡等の禁止)
第三十九条 金融商品取引業者等は、次に掲げる行為をしてはならない。
二 有価証券売買取引等につき、自己又は第三者が当該有価証券等について生じた顧客の損失の全部若しくは一部を補塡し、又はこれらについて生じた顧客の利益に追加するため当該顧客又は第三者に財産上の利益を提供する旨を、当該顧客又はその指定した者に対し、申し込み、若しくは約束し、又は第三者に申し込ませ、若しくは約束させる行為
三 有価証券売買取引等につき、当該有価証券等について生じた顧客の損失の全部若しくは一部を補塡し、又はこれらについて生じた顧客の利益に追加するため、当該顧客又は第三者に対し、財産上の利益を提供し、又は第三者に提供させる行為
金融商品取引法(e-GOV)
海外FXで強制ロスカットを避ける5つの方法
ロスカットを避ける方法
- レバレッジを低く設定する
- 損切りラインを決めておく
- 証拠金維持率が100%切ったら資金を追加する
- ポジションの一部を決済する
- 両建てをする
①レバレッジを低く設定する
レバレッジを下げるとは、「実効レバレッジを抑える」ということです。実効レバレッジとは、実際にどのくらいの倍率で資金を使っているかを示す数値であり、次の式で計算できます。
実効レバレッジを低くすればロスカットの危険も大きく下がります。目安として、実効レバレッジ10〜20倍以内を目標にすれば、初心者でも安定した運用が可能です。
実効レバレッジ = 取引金額 ÷ 口座残高
たとえば、口座資金10万円でレート150円、USDJPYを2万通貨(0.2lot)で取引の場合、取引金額は「150円×20,000通貨=300万円」です。実効レバレッジは「300万円÷10万円=30倍」と計算できます。追加で入金すると実効レバレッジを30倍より低くできます。
初心者向け!実効レバレッジ目安表
| 実効レバレッジ | 状況 | リスク |
|---|---|---|
| 5〜10倍 | 安全運用 | 損切り余裕が大きい |
| 20〜30倍 | 標準的 | 一般的な海外FXの中リスク帯 |
| 50倍以上 | 危険 | 少しの逆行でも維持率低下・ロスカットリスク高 |
②損切りラインを決めておく
強制ロスカットは“最後の安全装置”に過ぎません。自分で損切り位置をあらかじめ決め、発注と同時に設定しておくのが基本です。
損切り位置は「テクニカル+資金管理」で決めるのがポイントです。どちらか一方だけだと偏るため、両方を満たす位置を探して設定しましょう。
| 基準 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| テクニカル根拠 | チャート上の節目・サポート・直近安値など | 直近安値が150.20円なら、149.90円に損切り設定 |
| 資金管理根拠 | 1回の損失を資金の1〜2%以内に抑える | 口座10万円 → 損失上限2,000円 |
【2つの基準を組み合わせて考える】
- 口座資金10万円
- 損失上限:2%(2,000円)
- 損切りまでの距離:20pips
例えば、上記の内容なら、1pipsあたりの損失は「2,000 ÷ 20 = 100円/pips」です。USDJPYでは1万通貨=1pipsで100円なので、1万通貨(0.1lot)までが上限です。つまり、「この数量なら、損切りしても2,000円で済む」という計算になります。
③証拠金維持率が100%切ったら資金を追加する
証拠金維持率100%を「赤信号」として、即行動するルールを決めておくと良いです。維持率100%を切ったタイミングで、追加資金を入金するとロスカット水準(20%前後)に達する前に回避できます。
たとえば、口座資金が10万円・レバレッジ500倍でドル円を0.2lot(2万通貨)保有しているとします。含み損が約8,000円になると証拠金維持率は100%前後になります。ここで何もしないと、相場がわずかに逆行しただけで維持率は急低下し、ロスカット水準(約20%=含み損4万円前後)に到達します。維持率100%になったら1万円を追加入金するなどルールを決めておけば、維持率を150〜200%程度まで回復でき、強制ロスカットを事前に回避できます。
④ポジションの一部を決済する
ポジションの部分決済は、維持率回復と心理安定の両面に有効的です。段階的に建玉を減らすことで、リスクを分散しつつ戻りの余地を残せます。
たとえば、ドル円を0.3lot保有していて含み損が広がっている場合、0.1lotだけ決済して建玉を減らす方法があります。必要証拠金が減少し、証拠金維持率が上昇してロスカットの危険を下げられます。 さらに、残りの0.2lotは「相場が戻ったら取り返せる」余地を残すことができ、精神的にも落ち着いて次の判断がしやすくなります。
⑤両建てをする
ヘッジとしての両建ては、使いどころを誤らなければ強力です。片側が逆行して含み損を拡大しているとき、逆方向の建玉を入れることで、評価損益の振幅を抑え、維持率の急落をブレーキできます。
ただし、業者によっては両建て時の必要証拠金が相殺されない場合があり、かえって維持率が悪化することがあります。さらに、スワップ差(買いと売りで日歩が逆方向)がコストとして積み上がるため、長期放置は不利です。また、両建て不可の業者もあるため注意しましょう。
| 業者名 | 同一口座の両建て | 別口座間の両建て | 異業者間の両建て (国内FX含む) |
|---|---|---|---|
| ThreeTrader | ○ | ○ ※ゼロカット対象外 | ○ ※ゼロカット対象外 |
| Exness | ○ | ○ | ○ |
| IS6FX | ○ | × | × |
| FXGT | ○ | × | × |
| FBS | ○ | ○ | × |
| TradersTrust | ○ | ○ | ○ |
| BigBoss | ○ | × | × |
| VantageTrading | ○ | × | × |
| easyMarkets | ○ | × | × |
| AXIORY | ○ | × | × |
| HFMarkets | ○ | × | × |
| XS | ○ | ○ | ○ |
| LandPrime | ○ | × | × |
| XMTrading | ○ | × | × |
| IronFX (STP/ECN口座) | × | ○ | × |
| IronFX (ライブ口座) | ○ | × | × |
| TitanFX | ○ | × | × |
海外FXの両建ての詳細やルールに関しては、海外FXの両建てルールをご覧ください。
海外FXロスカットの計算に関するよくある質問
【まとめ】取引前にロスカットまでの数値を計算して安全に資金運用しよう
ロスカットは「資金を守るための自動防衛システム」であり、FX取引の安全装置とも言えます。海外FXではロスカット水準が低めに設定されているため、国内FXよりも余裕を持った資金運用が可能ですが、急激な値動きで維持率が一気に下がるリスクもあります。
取引前に「ロスカット計算機」を使ってロスカットまでの数値を把握しておくことが、強制ロスカットを避ける最も確実な方法です。







